ワイヤーフレーム作成に遊び心をプラス 短時間で発想を広げる簡単テクニック
ワイヤーフレーム作成に遊び心をプラス 短時間で発想を広げる簡単テクニック
Webサイトやアプリケーション開発において、ワイヤーフレームは非常に重要な工程です。情報設計やユーザーフローを視覚化し、関係者間で認識を共有するための設計図となります。しかし、繰り返し行う作業の中で、時にはアイデアが煮詰まったり、単調に感じたりすることもあるかもしれません。
この記事では、ワイヤーフレーム作成の工程に短時間で遊び心を取り入れ、気分転換を図りながら発想を広げるための簡単なテクニックをご紹介します。いつものやり方に少し変化を加えるだけで、新鮮な視点や新しいアイデアが生まれる可能性があります。
1. いつもと違うツールや画材で手書きを試す
普段デジタルツールでワイヤーフレームを作成している場合、あえて手書きに戻ってみることは有効な手段です。紙とペン、ホワイトボード、または普段使わないノートなど、手軽なものを選んでみましょう。
- 方法: 紙に大まかなレイアウトや要素をラフに描き出します。時間を5分や10分と区切り、「この時間内にできるだけ多くのパターンを描く」といったゲーム感覚で取り組むのも良いでしょう。
- 時間: 5分〜15分程度
- 効果: デジタルツールの制約から解放され、より自由に、スピーディーにアイデアを形にできます。画面サイズや細部の配置にとらわれず、全体の構成やフローに集中しやすくなります。また、手で描くという行為自体が気分転換になることもあります。
2. スタイルや制約を意図的に変更してみる
ワイヤーフレームには一定のルールやスタイルがあることが多いですが、作業に行き詰まりを感じたら、一時的にその制約を変えてみましょう。
- 方法: 例えば、「すべての要素を円で表現する」「白黒反転で描く」「テキストの代わりにアイコンだけを使う」といった普段とは異なるスタイルを意識的に取り入れてみます。あるいは、「重要な要素は3つまでにする」「特定の配色だけを使う」といった制約を設けることも考えられます。
- 時間: 10分〜20分程度
- 効果: いつもの思考パターンから強制的に抜け出すことができます。新しい制約やスタイルの中でアイデアを探す過程で、通常では思いつかないような意外な解決策が見つかる可能性があります。問題の核心部分や優先度の高い要素が明確になることもあります。
3. 異なる役割になりきってワイヤーフレームを描く
作成中のワイヤーフレームが、実際に利用するユーザー、開発を担当するエンジニア、マーケティング担当者など、異なる立場の人にとってどのように見えるかを想像してみましょう。
- 方法: 短時間だけ、特定の役割になりきってワイヤーフレームを見直したり、描き直したりします。例えば、「このユーザーは初めてサイトに来たとしたら、どこを見るか?」「このレイアウトはエンジニアが実装しやすいか?」「この導線はマーケティング目標に合っているか?」といった問いを自分に投げかけながら作業を進めます。
- 時間: 15分〜30分程度
- 効果: ユーザー視点の見落としに気づいたり、開発上の潜在的な課題を早期に発見したりすることに繋がります。他部署の視点を取り入れることで、より多角的な、バランスの取れた設計に近づけることができます。
4. 短時間だけ全く関係ない画面のワイヤーフレームを描いてみる
今取り組んでいるプロジェクトから一旦離れ、全く別の、個人的に興味のあるWebサイトやアプリケーションの一部分のワイヤーフレームを短時間だけ作成してみることも、気分転換と発想転換に繋がるかもしれません。
- 方法: 好きなサービスの特定の画面(例: ECサイトの購入フロー、ニュースサイトの記事ページ、SNSのプロフィール画面など)を思い出し、そのワイヤーフレームを簡易的に再現してみます。見たままを描くのではなく、「もし自分ならこうデザインする」という視点を少し加えるのも面白いでしょう。
- 時間: 10分〜20分程度
- 効果: 現在のタスクから一時的に離れることで、気分をリフレッシュできます。他のサービスのデザインパターンや構造に触れることで、新たな知識やアイデアが刺激され、それが現在のプロジェクトに役立つ可能性も考えられます。
まとめ
ワイヤーフレーム作成は論理的な思考が求められる作業ですが、そこに短時間でも遊び心を取り入れることで、単調さを打破し、発想を活性化させることが可能です。今回ご紹介したテクニックは、いずれも数分から30分程度の短い時間で試せるものばかりです。
いつもの作業に少し変化を加え、新しい視点やアイデアを探求してみてはいかがでしょうか。それはきっと、より創造的で質の高いワイヤーフレームの作成に繋がり、結果としてプロジェクト全体の成功にも貢献することでしょう。