今日から始める遊び仕事

デザイン素材探しに遊び心を 短時間でインスピレーションを得る簡単テクニック

Tags: デザイン, 素材, インスピレーション, 遊び心, 短時間テクニック

日々のデザイン業務に潜む単調さ

Webデザインの業務において、新しいアイデアやインスピレーションは非常に重要です。しかし、締め切りに追われる日々の中で、素材探しや参考資料のリサーチがルーティン化し、単調に感じられることは少なくありません。いつも同じサイト、いつも同じ検索ワードで素材を探していると、どうしても似通ったアイデアに偏りがちになり、発想が枯渇したように感じてしまうこともあるでしょう。

このような状況は、クリエイティブな作業の質を下げるだけでなく、日々の業務に対するモチベーションの低下にもつながりかねません。そこで今回は、デザイン素材を探すという作業に、短時間で遊び心を取り入れ、新たなインスピレーションを得るためのいくつかの簡単なテクニックをご紹介します。

なぜ素材探しに「遊び心」が必要なのか

素材探しは、単にビジュアル要素を集める作業だけではありません。それは同時に、まだ見ぬ表現方法やアイデアとの出会いの場でもあります。このプロセスに少しの遊び心、つまり普段とは違うアプローチを取り入れることで、凝り固まった思考をほぐし、予期せぬ発見や新鮮な視点を得ることが期待できます。

短時間でできるこれらのテクニックは、長時間の休憩を取る必要もなく、作業の合間に気軽に試すことができます。気分転換にもなり、その後の作業効率や創造性の向上にもつながる可能性があります。

短時間でできる遊び心ある素材探しテクニック

1. 「抽象的なキーワード」で検索してみる(目安時間:5分)

いつもは具体的な「人物 写真」「街並み イラスト」といったキーワードで検索しているかもしれません。これを少し抽象的な言葉に変えてみましょう。例えば、「光」「影」「質感」「流れ」「静寂」「未来」「過去」などです。

これらのキーワードで画像検索サイトや素材サイトを検索すると、具体的なイメージとは異なる、ムードや雰囲気、抽象的な概念を表現した素材が見つかることがあります。これらの素材は、直接デザインに使うわけではなくても、そこから連想される色合い、構図、雰囲気が、新しいデザインアイデアのヒントになることがあります。

2. 「普段使わないサイト」を数分だけ巡る(目安時間:10分)

お気に入りの無料素材サイトや、よく利用する有料ストックサイトがあるかもしれません。しかし、時には全く知らない、あるいは普段は候補に入れないようなサイトを覗いてみましょう。

例えば、地域特化型の写真素材サイト、特定のテーマ(ヴィンテージ、ミニマルなど)に特化したサイト、あるいは海外の無料素材サイトなどを短時間だけ見て回ります。PinterestやBehanceなどで、普段フォローしないジャンルやテイストのクリエイターのボードやポートフォリオを流し見するのも良いでしょう。

3. 「ランダムフィルタリング」を楽しむ(目安時間:5分)

多くの素材サイトやギャラリーサイトには、色、形状、カテゴリ、雰囲気などで絞り込むフィルタ機能があります。通常は目的の色やスタイルを指定して絞り込みますが、ここではあえて「ランダムに」フィルタを選んで表示される結果を見てみましょう。

例えば、普段は使わないような鮮やかな色をフィルタに設定したり、馴染みのないカテゴリを選択したりします。偶然表示された意外な素材から、「この色とこの形状を組み合わせたら面白いかも」「このテイストを自分のデザインに取り入れるにはどうすれば良いか」といった新たなアイデアが生まれる可能性があります。

4. 「ストーリーテリング視点」で素材を見る(目安時間:10分)

素材を単なる画像やイラストとして見るのではなく、「もしこの素材がある物語の一場面だとしたら、どんな物語だろう?」あるいは「この素材をキービジュアルとして、どんなメッセージを伝えられるだろう?」といった、ストーリーテリングの視点から眺めてみましょう。

表示されている人物の表情から背景を想像したり、風景写真からその場所で何が起こっているかを空想したりします。このように、素材の背景にあるかもしれないストーリーや、それが伝える可能性のあるメッセージを考えることは、デザイン全体のコンセプトメイキングや、ユーザーに与えたい感情を考える上で役立つことがあります。

小さな遊び心がもたらすもの

これらのテクニックは、どれも数分から10分程度で試せるものです。単調な作業の合間に意識的にこうした「遊び」を取り入れることで、気分転換になるだけでなく、脳に新しい刺激を与え、創造性を活性化させることにつながります。

あるデザイナーは、休憩時間にランダムに表示された素材の色合いから、それまで考えもしなかった配色パターンを発見し、その後のデザイン制作に大きな影響があったと言います。また別のクリエイターは、抽象的なキーワードでの検索から得られたインスピレーションを元に、全く新しいテイストのイラストレーションシリーズを生み出したという話もあります。

まとめ

デザイン素材探しは、日々の業務の中で繰り返し行う重要な作業です。このプロセスに少しの遊び心を取り入れることで、単調さを打ち破り、新たなインスピレーションを得ることが可能になります。今回ご紹介した「抽象的なキーワード検索」「普段使わないサイト巡り」「ランダムフィルタリング」「ストーリーテリング視点」といったテクニックは、どれも短時間で試すことができ、気分転換にもなります。

これらの小さな工夫が、あなたのクリエイティブな毎日をより豊かにし、発想の枯渇を防ぐ一助となれば幸いです。ぜひ、今日からでも一つ試してみてはいかがでしょうか。