コードの変数名・関数名に遊び心を 短時間でできる簡単テクニック
コードの変数名・関数名に遊び心を 短時間でできる簡単テクニック
日々のコーディング作業は、時に反復的で単調に感じられることがあります。特に、新しい機能の実装やバグの修正だけでなく、変数名や関数名といったコードの基本要素を考える際にも、効率を優先するあまり、ルーチン化しがちな側面があるかもしれません。しかし、こうした小さな部分に少しだけ遊び心を取り入れることで、気分転換になったり、普段とは異なる視点からコードと向き合えたりする可能性があります。
この記事では、コーディングの合間の数分といった短時間で、変数名や関数名に遊び心を取り入れるための具体的なテクニックをいくつかご紹介します。これらの工夫は、作業の単調さを軽減し、新たな発想のきっかけとなるかもしれません。
なぜ変数名・関数名に遊び心を?
変数名や関数名は、コードを書く上で日常的に触れる要素です。これらの名前に少し遊び心を加えることは、以下のような効果が期待できます。
- 手軽な気分転換: 複雑な問題を考えている最中に、少し面白い名前を考えることで脳の違う部分を使い、軽いリフレッシュになります。
- 発想の転換: いつもと違う命名ルールや発想を取り入れることで、コードの構造や処理内容についても新たな視点が得られる可能性があります。
- チーム内のちょっとしたユーモア: 個人開発だけでなく、チーム内で合意の上で取り入れれば、コードレビュー時に笑顔が生まれたり、話題になったりするかもしれません。(ただし、これはチームの文化と十分に相談が必要です。)
重要なのは、これらのテクニックがコードの可読性や保守性を著しく損なわない範囲で行われるべきであるということです。主に、個人で開発しているプロジェクトや、チーム内の実験的なブランチ、あるいはドキュメントやコメントとセットで使うといった工夫が必要になります。
短時間でできる変数名・関数名の遊び心テクニック
具体的なテクニックをいくつかご紹介します。これらは、作業の合間に数分考えるだけで実践できるものばかりです。
1. テーマ性を持たせる
特定のテーマに基づいた単語や固有名詞を変数名や関数名に使う方法です。例えば、好きな映画のキャラクター名、星座の名前、特定の時代の流行語など、自分にとって馴染み深く、かつバリエーションがあるテーマを選ぶと良いでしょう。
- 例:
- ファンタジーテーマ:
questLog
,magicPoints
,invokeSpell()
- 宇宙テーマ:
starSystem
,celestialBody
,calculateOrbit()
- 料理テーマ:
ingredientList
,prepareDish()
,serveMeal()
- ファンタジーテーマ:
これにより、コード全体にストーリー性のようなものが生まれ、単調な単語の羅列から少し違った印象に変わります。テーマを考える時間も含めて、数分で試せます。
2. ユーモアを交える
コードの役割や状態を少し面白おかしく表現する名前を考えます。状況に対するちょっとした自虐ネタや、コードの挙動を大げさに表現するなどです。
- 例:
userIsTryingToBreakIt
(ユーザーが壊そうとしている)thisShouldNeverHappen
(これは起こるはずがない)magicNumberOfDeath
(死の魔法の数字 - 意味不明な定数など)
ただし、これは受け取る人によって不快に思われたり、真剣なコードの中で誤解を生んだりする可能性があるため、使用する場面や相手には十分な配慮が必要です。個人的な実験コードや、ごく内輪のチームで、明確なユーモアとして認識される場合に限定して試すのが賢明です。
3. オノマトペや擬音語を取り入れる
処理の内容やその結果を表す際に、感覚的な言葉や音を表現する単語を使う方法です。特にアニメーションやエフェクト、あるいはデータの動きなどを扱う場合に有効かもしれません。
- 例:
shakyAnimationDuration
(揺れるアニメーションの期間)blinkRate
(点滅する速さ)dataFlowGurgle()
(データの流れがゴロゴロと進む)
これにより、コードの意味を直感的に理解する手助けになったり、コードを書いている際のイメージをより具体的に捉えられたりする可能性があります。
4. 造語や単語の組み合わせを工夫する
既存の単語をそのまま使うのではなく、組み合わせたり、少し変形させたりして新しい単語を作る方法です。意味が通じつつも、少しユニークな響きを持たせられます。
- 例:
configuratorWizard
(設定を助ける魔法使い)dataWrangler
(データを手なずける人)notifierGizmo
(通知を出すちょっとした仕掛け)
これは、既存の概念に新しい名前を付けることで、その機能に対する認識を少し変える効果も期待できます。
実践上の注意点
これらの遊び心を取り入れるテクニックは、あくまで作業の気分転換や発想のきっかけとするためのものです。以下の点には十分ご注意ください。
- 可読性と保守性が最優先: コードは自分だけでなく、将来の自分や他のチームメンバーが読むものです。遊び心を加えることによって、コードの意味が分からなくなったり、メンテナンスが困難になったりしては本末転倒です。
- チーム開発での配慮: チームで開発している場合は、事前の相談や合意が不可欠です。独自の命名規則は混乱を招く可能性があります。チーム内で許容される範囲を確認し、共通のルールとして取り入れるか、個人的な遊びに留めるかを判断してください。
- コメントやドキュメントとの併用: 遊び心のある命名をした箇所は、後から見て意図が分かるように、必ず丁寧なコメントを添えたり、別途ドキュメントに記述したりすることをお勧めします。
まとめ
変数名や関数名に遊び心を取り入れることは、大規模なシステム開発においては難しい場合が多いかもしれません。しかし、個人的な学習プロジェクトや、チーム内でのちょっとした試みとして、短時間で気軽に試せるテクニックです。
日々のコーディング作業に単調さを感じている時、数分間手を止めて、コードの小さな名前にいつもとは違う発想を加えてみるのはいかがでしょうか。それは、凝り固まった思考をほぐし、コーディングという行為そのものに、新鮮な楽しさや気づきをもたらしてくれるかもしれません。可読性を損なわない範囲で、ぜひ今日から試してみてください。